公開日:2021/11/15
介護の仕事をステップアップしていく過程で、ぜひとも取得したい介護福祉士。介護福祉士は社会福祉専門職の介護に関する国家資格であり、超高齢化社会を迎える日本において、将来的にも安定した雇用につながることが間違いない資格といえます。今回は、介護福祉士を目指すにあたって誰もが気になる補助金・給付金制度をわかりやすく説明します。
もくじ
介護福祉士の国家資格の取得の道はいくつかあるようです。そして取得にかかる費用は、取得ルートによって異なります。どのルートを選択しても、国家試験の受験費用1万5,300円が別途かかるので、忘れないようにしてください。
実務経験ルートでは、持っている資格の種類により費用が異なります。介護福祉士国家試験では、実務者研修の受講が必須ですが、実務者研修を受講する前の段階で取得している資格の種類によって金額にかなり差があります。
・無資格者…13~20万円
・介護職員基礎研修…3~5万円
・介護職員初任者研修・ホームヘルパー2級…9~18万円
・ホームヘルパー1級…約7万円
介護福祉士養成施設を卒業することで受験資格を満たすルートです。介護福祉士養成施設に通学する期間として、高等学校を卒業の場合は2年以上、福祉系大学や社会福祉士養成施設、保育士養成施設等を卒業している場合は1年以上が定められています。施設に通学後、介護福祉士国家試験を受験し、合格することが必須となっています。
・養成施設(専門学校)…約80万~200万
・4年制大学…約400万円
・短期大学…約200万円
介護福祉士の資格を取得する際、その費用を国が補助してくれる制度が大きく分けて2つあるようです。それは「教育訓練給付制度(教育訓練給付金)」と「求職者支援制度(職業訓練受講給付金)」です。それぞれ順を追って説明します。
教育訓練給付制度とは、雇用保険の失業等給付のひとつにあたり、所定の条件を満たした者が厚生労働大臣の指定する講座を受講・修了した際に、教育訓練施設に支払った費用の一定割合に相当する額がハローワークより支給される(上限あり)という制度です。
教育訓練給付制度は、『専門実践教育訓練給付金』と『一般教育訓練給付金』『特定一般教育訓練給付金』の3種類の制度があり、支給額はそれぞれ異なります。
求職者支援制度とは、雇用保険を受給できない求職中の方が、無料の職業訓練を受講し、給付金を受け取ることができる制度です。ハローワークが中心となってきめ細かな就職支援を行うことにより、早期の就職を支援しています。給付金の受け取り、職業訓練の受講の際にはそれぞれ一定の要件があります。
働きながら介護福祉士取得を目指すなら、貸付制度がおすすめです。この制度は、厚生労働大臣の指定する養成施設又は実務者研修養成施設に在学する方を対象に、修学資金を貸与(無利子)するというものです。また、卒業後介護福祉士介護業務に一定年数従事した場合、返済は免除されます。
介護福祉士養成施設(養成校を含む)に在学中、またはこれから介護福祉士の資格取得を目指すために在学する方です。
・在学期間中…月5万円(授業料、教材費、交通費、介護福祉士試験受験手数料などの費用)
・入学準備金…20万円
・就職準備金…20万円
・国家試験受験対策費用…年4万円
・生活費加算…加算あり
介護福祉士修学資金の利用条件は、介護福祉士養成施設に在学中または下記①~③のいずれかに該当する方です。
①貸付を受けようとする都道府県に住民登録をしていて、卒業後、国家資格を取得したのち、県内の福祉・介護施設で働く意思がある。
②貸付を受けようとする都道府県の養成施設の学生であり、卒業後、その都道府県内において介護就労予定である。
③養成施設での修学のために転居をした方で、転居する前年度の住民登録を貸付を受けようとする都道府県にしていて、かつ、卒業後は転居前の都道府県内で介護の就労予定である。
既に介護の仕事の実務経験が3年以上ある場合は、「介護福祉士実務者研修受講資金貸付制度」が利用できます。具体的には以下の通りです。
3年の実務経験があり、かつ実務者研修を受講し介護福祉士の取得を目指している方が対象者です。
最大20万円
実務者研修に在学中、および下記の①~③のいずれかに該当する方は、介護福祉士実務者研修受講資金貸付制度の利用条件を満たしています。
①貸付を受けようとする都道府県に住民登録をしていて、卒業後に当該都道府県内において介護の仕事に就労予定である。
②貸付を受けようとする都道府県内の実務者研修施設の学生であり、卒業後に当該施設が所在する都道府県内において介護の仕事に就労予定である。
③実務者研修施設の学生となる前年度に、貸付を受けようとする都道府県に住民登録をしていて、実務者研修施設での修学のため転居をしたものであって、卒業後に転居前の都道府県内において介護の仕事に就労予定である。
介護福祉士は、以上のような制度を使わずに資格習得を目指すと、費用に数十万かかることもあり、そのコストから取得をあきらめてしまうことになりがちです。補助金や給付金をうまく使うために、まずはご自身のお住まいの自治体の利用条件や給付額などについて、詳しく調べてみてはいかがでしょうか。