公開日:2023/05/15
たくさんある介護に関する資格の中で、唯一国家資格として認められているのが介護福祉士です。介護職や介護福祉士に興味がある人にとって気になるのが、介護福祉士に向いている人・向いていない人の特徴ではないでしょうか?今回は介護福祉士に向いている人・向いていない人の特徴について、主な業務内容と一緒に解説します。
冒頭でも述べたように、介護福祉士は介護職に関する資格の中で唯一の国家資格です。以下で主な業務内容を見ていきましょう。
最もわかりやすく、また求められているのが利用者や入居者の身体介護です。デイサービスや訪問介護サービスの利用者、特別養護老人ホームやグループホームの入居者に対して、さまざまな身体介護を行います。
食事や排泄、入浴の介助、体位変換、移乗のサポートなど、一人ひとりの身体状態やニーズなどに合わせて提供するのが特徴です。残存能力を活用できるように何でも介助するのではなく、そばで見守ったり、自分でできるようにサポートしたりすることも求められます。
直接的な身体介護だけでなく、快適な日常生活を送れるような生活援助も大切な仕事のひとつです。調理や洗濯、居室の掃除、身の回りのものの整理整頓、買い物の代行などが該当します。
介護が必要な本人やその家族が抱える、介護や生活に関する相談やアドバイスにも応じます。介護方法や福祉用具に関するもの、介護保険サービスといった制度に関するもの、メンタルヘルスに関するものなど、内容は多岐に渡ります。内容によってはケアマネジャーや行政といった、関係機関につなぐこともあるでしょう。
高度な知識やスキルを持っていることから、職場によってはチームマネジメントが求められます。ユニットリーダーや管理職として一緒に働いているほかのメンバーをまとめたり、新任スタッフの教育をしたり、多職種とやり取りをしたりと、管理的な仕事を任されるでしょう。
介護福祉士に興味があるからといって、すべての人が向いているとは限りません。向いている人の主な特徴は、次の5つです。
勤務先にも多少よりますが、基本的にはどの職場でも人と関わります。そのため、人と関わるのが好きな人は向いているといえるでしょう。また利用者や入居者だけでなく、ほかの仲間と協力しながらする仕事でもあります。スムーズに業務を進めていけるように、他者とコミュニケーションを円滑に取れる人にぴったりです。
介護の仕事は身体が資本といっても過言ではありません。できるだけ身体に負担をかけないような介助方法がありますが、体力がなければなかなか続けられない職業といえるでしょう。また勤務先によっては夜勤を含む変則勤務を取り入れており、生活リズムが乱れる可能性があります。どのような生活スタイルでも健康を保てる人も、介護福祉士に向いています。
先で述べたように、職場によってはチームマネジメントや新任スタッフの教育が求められます。まったく経験が無かったり、浅かったりする後輩への教育に興味がある人は向いているといえるでしょう。
利用者や入居者が100人いれば、100人とも違ったニーズを抱えています。それぞれのニーズを適切にくみ取った上で必要な介護サービスを提供する必要があるため、スキルアップに向けた勉強は欠かせません。研修や勉強会へ参加したり、書籍で新しい知識を身につけたりと、向上心の高さが求められます。
最後は自分の感情をコントロールできることです。「業務内容が多すぎてイライラする」「認知症がある利用者から暴言を受けた」など、介護の現場はストレスとなる要因が少なくありません。ストレスが多い中でも適切なケアができるように、感情を上手にコントロールできる人は向いています。
一方で介護福祉士に向いていない人の特徴は、次の通りです。
他者に対する興味や関心がまったくないと、仕事を続けるのは大変です。相手とのコミュニケーションをとおして、必要なケアを提供できるようになるため、そもそも興味・関心がないと上手く業務をこなせないでしょう。
人と接する仕事だからこそ、ささいなことで怒りやすい人は向いていません。ストレスがかかる状況下でも、冷静に対応できるハートが必要です。
介護福祉士は身体介護や生活援助だけでなく、相談・アドバイスに応じたり、働く仲間のチームマネジメントを担ったりと、幅広い仕事が求められます。「人と関わるのが好き」「体力・健康に自信がある」「後輩の教育に興味がある」などの特徴に当てはまる人は、特に向いているといえるでしょう。大変なことやストレスとなることもありますが、利用者や入居者から学べるものもたくさんある魅力が詰まった職業です。