公開日:2022/03/15
介護職を目指している方にとって資格取得は必要なのか、どこまで必要なのかなど悩みの原因の一つではないでしょうか。今回は無資格の方が介護職でどのように働けるのか、無資格の際の就職のリスク、初心者に取得してほしいおすすめの資格について紹介します。
まず、無資格の介護職員はどのような仕事であれば可能なのか3つ紹介します。
まず1つ目に「介護業務」です。無資格であっても、特別養護老人ホームや有料の老人ホームなどで介護業務に携われます。具体的には、利用者の部屋や身の回りの掃除、ベッドメイキング、食事の配膳、洗濯や物品の買い出しなどが挙げられます。さらに、介護福祉士の指示がある場合には、身体介護を行うことも可能です。
2つ目に「送迎業務」です。通いの介護サービスであればもちろん送迎が必要になります。普通自動車免許を保有していれば送迎業務ができます。基本的には朝の自宅から施設まで、帰りの施設から自宅までの送迎になるようです。
最後に「事務系業務」です。施設における受付の業務や電話対応などは資格がなくても可能なため、任されることがある仕事です。施設ごとに細かい作業内容は異なるので、事前に確認しておくとよいでしょう。このように介護に関する資格がなかったとしても、制限はありますが、介護職員として働くことが可能です。
介護職に就くために、介護福祉士などの資格はとくに必要ではないことがわかりました。しかしながら、もちろん資格がないことによるリスクも一定程度生じてしまいます。ここでは介護職に就くにあたって、無資格の際に生じるデメリットについて3つ紹介します。
まず1つ目に「条件のよい職場では採用されにくいこと」です。介護職は業界全体として資格を保有している方のほうが圧倒的に多数派です。そのため、条件のよい職場ほど資格を持っている方が集まる傾向にあります。しかし、介護業界全体が人手不足であることは紛れもない事実なので、しっかりと探せばきっと職場はあるはずです。資格がない場合には、初めからあまり環境に高望みしないほうがよさそうです。
2つ目に「スキルアップが難しいこと」です。介護関連の資格は一つだけではなく複数あり、これらを順番に取得していくことがスキルアップに直結します。しかし、資格がない状態であれば、資格保有者に比べて同等のスキルアップが見込めません。そのため、職場での給料に関しても増額が厳しくなる現状があります。さらに、資格がないということは第三者に対して、ナレッジを有していることを証明するのが困難なため、転職でも苦労することが予想されます。
最後に「給与に差が出ること」です。先述のとおり、職場でのスキルアップが難しいため、給与に差が出てきてしまいます。2020年に行われた調査結果によると、資格なしの介護職員の給与は27万5,920円である一方、介護職員初任者研修を受講した介護職員の給与が30万1,210円でした。介護職員初任者研修は介護関連の資格でも基礎的なほうになります。つまり、少しでも資格を持っていたほうが有利になり、給与が高くなるということです。
以上のように、資格がなくても仕事は可能ですが、デメリットやリスクもあることをしっかりと押さえておきましょう。
最後に、資格をまだ取っていない方に、介護関連のおすすめの入門の資格を紹介します。
初心者の方におすすめなのは「介護職員初任者研修」です。
こちらの研修では、介護で必要となる体の使い方や専門用語などを基礎から学ぶものです。介護職の求人では「無資格・未経験歓迎」と書かれていることがありますが、実際には介護職員初任者研修レベルのナレッジを保有しておくことをおすすめします。初任者研修では基礎的な知識を座学と実習を通して学べます。そして最後には修了試験があるため、実力が定量的にしっかりと証明できるようです。
また、介護職員初任者研修は比較的取得しやすいものです。基本的な通学日数は15日程度であり、場所によっては週1回のみや土日開講など、働きながら柔軟に学べる体制が整えられています。このように資格を持っているだけで優遇される環境になっていますが、その資格自体も比較的手の届きやすいものとなっています。学びやすいスタイルで学ぶことで、自分のキャリアをしっかりと作っていけるのがよいところではないでしょうか。
さらに3年以上の実務経験と実務者研修を修了することで国家試験を受験する権利が付与されるため、未経験でもキャリアアップしやすい業界でもあります。無資格の方は一度考えてみるとよいのではないでしょうか。
今回は無資格でも介護職で働けるのかどうか、そして無資格の場合のリスクと初心者向け資格の介護職員初任者研修について紹介しました。無資格でも仕事はできますが、資格を持っていたほうがいろいろと優遇されることがわかりました。しかし、資格も順を追って取得すれば決して難しいものでもありません。余裕がある方は、ぜひ介護職員初任者研修から取得することを検討してみてはいかがでしょうか。